Picnic in the room

シートを敷いてワインで乾杯

5月の週末(1)

5月6日(土)

あと2日で連休が終わってしまう〜と嘆くのは不毛なので、当面の楽しみを紙に書き出してみる。遊び、仕事、毎日何かしらワクワクすることが(些細ながらも)ありそうで、多少気持ちを持ち直すことができた。何もない日は、お昼にサンドイッチを食べに行くと決めた。

午前中、施設にいる義祖母の面会。月に1度、お菓子を差し入れして、おしゃべりをする。今回はたねや。もうすぐ水羊羹が出るはずだけど、まだ並んでいなかったので最中にした。

来週行く予定のフェスが雨予報で、びびってテントを衝動買いする。

それを背負って、なか卯でお昼。なか卯のテーマソングを歌いながらルンルンで向かったのに、しょっぱくてショック。薄味でお出汁が効いたものが好きで、なか卯はそれだと記憶していたんだけど、記憶のなかの味覚はけっこう頼りにならないなと思った。

午後は繰り返し観ている『横道世之介』を流して昼寝。何を観たらいいか判断力が鈍っているときは、世之介か大豆田とわ子と決めている。

実家から大量に届いたそうめんに、トマトと新玉葱・ツナをオリーブオイルで和えたものをトッピングして食べた。ふるさと納税の「蕎麦50人前セット」も明日届く。しばらく麺祭りだ。

 

5月7日(日)

雨の音で、7時に目が覚めた。ずっと前に録画して、気持ちが澄んでいるときに観ようと大切にとっておいた映画『落下の王国』を鑑賞。すんと、「観るならいまだ」と、思ったのだ。

コンテンツに触れるとき、私は「どうやってこんなの作ったの?」って、びっくりさせられるのが一番嬉しい。

どこから着想を得たのか、チームでそれをどう共有したのか、制作中の苦楽や、譲れなかったこだわり…(だからクリエイターのインタビューが好きでそれを生業にしたのだろうな)

まさにこの映画には、存分にびっくりさせてもらった。享受。

どこを切り取っても、全シーンが劇場版ポスターとして成立するだろう。世界24カ国以上でロケを敢行したとか、贅を尽くした衣装に目を奪われるとか(石岡瑛子さん)、スケールの大きさに驚いたのはもちろん、少女が鍵穴を覗くシーンなどさりげない演出まで、隙がないとしか言いようがなくて心が(というか細胞が)震えた。

 

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ターセム・シン監督のことが気になり、調べられる範囲で作品を観まくる。

 

レディ・ガガ911

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ヴァネッサ・パラディ『ビー・マイ・ベイビー』

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ディープ・フォレスト『Sweet Lullaby』

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というようなことをしていたら、連休最終日が終わった。はわぁ…なんとも幸せな1日だった。

(ちなみに『落下の王国』は、配給会社が倒産したとかでいまはDVDが高値になり、配信もされていないので、気になる方はTSUTAYAか我が家へ)

 

5月1日 週の日記

5月1日(月)

休む予定だったけど、打ち合わせが入ったので労働。

仕事、私の場合は同僚やクリエイターが、想像を軽々と超えるアイデアや作品で打ち返してくれる瞬間に快感を感じる。99%が辛いことだったとしても、1%のそれが爆発する。

当たり前だけど、根底にあるのは他者への敬意だ。特にアーティストの表現は、勇気だ。

「大人になりなさいよ。人を敬いなさいよ。体を、全ての女性を、人間を敬いなさいよ。そうすれば人生はずっと楽になることを請け合うわ」
フローレンス・ピュー

 

5月2日(火)

不定期でお仕事をしている代理店さんから、リコールのお声がけ。この案件は私も興味があるジャンルなのでとても嬉しい。

舞台を観に行くので『ハリー・ポッター』シリーズを再読しながら就寝。

 

5月3日(水・祝)

大学の友達と秘密の会合。7月の催しに向けて仕込み。

帰宅してから昼寝。

目覚めたら夏の夕方みたいな空気で、映画『MOTHERLESS BROOKLYN』を流しながら素麺を茹でた。音楽が良いので、BGMにぴったり。

 

5月4日(木・祝)

あいちゃんとお子と、みんな大好き味坊系列の「香辣里」でランチ。胡瓜と紫蘇の炒めものが美味しかった、久しぶりのおしゃべりに花が咲いた。

3人で歩いて、近くの書店兼ギャラリー「twililight」で、写真家の桑島さん(桑島智輝)さんの展示を観た。仕掛けがいたるところにあって、忍者屋敷に迷い込んだみたいで愉快だった。写真の強さは言わずもがな。屋上でクリームソーダを飲んだ。

日曜から咳が止まらず、夜中に何度も目覚めてしまうので病院に寄って帰る。

今日も昼寝。

夕飯に作った人参のソテーが美味しくて、ひとりで3本も人参を食べた。不安になって「人参 食べ過ぎ」で検索した。

 

5月5日(金・祝)

朝食を食べながら、NHK病院ラジオ』という番組を観た。サンドウィッチマンの2人が全国の病院に出張ラジオ局を設置し、患者さんやご家族の本音を訊いてリクエスト曲を流すもの。今日は子どもの日にちなんで、小児病院が舞台。

私は身内が難病を抱えているので、こういう番組を通して病気について世の中の理解が深まること、それが医療や研究、ドナー登録の前進につながる未来を想いながら観た。Hanakoの連載もそうだけど、私にできることをやろうと背筋が伸びる。素晴らしい内容で、番組関係者の方に拍手を送りたい。

感動でボーッとしたまま、伊勢丹ニトリに出かけて買い物をした。電車で番組の内容を思い出しては涙ぐむ。

昼寝。夜は義両親と食事。

新代田「ダイタリア」は、ウニや白子、イカスミなど癖のある食材をうまくアレンジするのが上手なお店だった。ホワイトアスパラに毛蟹のタルタルが乗った一皿が印象的!

美味しくて楽しくて、満ち足りた気分で就寝。

4月の週末(5)

4月29日(土)

夏は毎年うまく眠れず、一睡もしないまま明け方の街を散歩するのが習慣になっている。

4時ごろ、海月のようにフラフラ歩いていたらオレンジの光が灯る一角を住宅街で見つけた。なんだろうと近寄ってみると、路地に面したマンションの部屋の、テラスから漏れる光だった。

柵状の門からなかが見える。大きなカボチャやメリーゴーランドのオブジェ、年季が入っているけど上等なものだとわかるソファ、鳥カゴ、いくつものシャンデリアのような照明があった。ちぐはぐな宮殿のようで、幻想かと思った。

さらに驚いたことに、そこには、人がいたのだ。明け方4時に、美青年が3人。色が白く、整った顔立ちで、みんな一様に痩せていてお洒落な服を着ていた。夏の朝の爽やかな空気にふさわしくない気怠い空気を纏い、煙草を吸っていた。煙が紫色だった。妖精の水浴びを見るってこんな感じなのかもしれない。私は息を潜めて様子を観察し、その興奮を抱えたまま帰宅してベッドに潜り込んだ。

それからというもの、そこはお気に入りの散歩スポットになり、朝も昼も夜中もよく立ち寄った。でもさっぱり何のお店か、はたまた個人宅なのか、調べても、通ってもわからない。たまに美青年が出入りする姿を見かけただけだ。しばらくして彼らは退去したらしく、あのファンタスティックな空間は跡形もなく消えてしまった。

そして私は今日、そのマンション内でまつげパーマの施術をしているお店を見つけ、特段まつげを上げたいわけでもないのに律儀に予約し、同建物に潜入することに成功した。

怪しまれないよう、いよいよ施術も大詰めというころ、「あそこのテラスにはいったいどんな方がいらしたのですか?」とまつげパーマのお姉さんに聞いた。「え、そんな場所ありましたっけ?」「けっこう長くお店やってますけど、気づかなかったです」との返事。

あの異質な空間に気づかないはずはないのにーークイッと上がった睫毛を確認しながら、それならそれで、と思った。私だけの物語だ。

まつ毛も上がったし、満足してマンションを出た。そんな午前中でした(午後の話は明日に記します)

 

4月30日(日)

風邪をひいてしまい、ひもすがら布団に包まって過ごす。

連休の始まりでSNSは楽しそう。私はちょっと寂しくなったけど、いいもん、私だって楽しいことしたもんねって昨日のことを反芻して過ごした。

昨日は、午後も出かけた。

池袋にあるギャラリー「ポポタム」の18周年を祝い、多数の作家さんが「18」をテーマにした作品を持ち寄りグループ展を開いていた。友人のヨージさん(寺田燿児さん)も参加しているので、響子と観に行った。池袋は我々のホームタウンだ。晴れた日で、ノンアルビールを飲みながら歩く。自由学園明日館を眺めて「ポポタム」へ。

ヨージさんはたった1枚の絵に、壮大な物語の予感をはらむ物語を描いていた。漫画も描けるのに、1枚だからこその強さも表現できて、本当に引き出しが多い。それぞれが作家性を発揮し、18という数字がいろんな表情を見せる空間。根底にあるギャラリストさんと作家さんのあったかい信頼関係が伝わってきて、見ていて嬉しくなった。

それから立教に潜入し(この日は潜入してばかりだ)、夜は馴染みのダイニングバー「ha-ha」に行った。店長が元気で、ごはんが美味しくて、ノンアルビールを4杯も飲んだ。ヨージさんと響子と四方山話をして解散。決してキレイとは言い難くとも、池袋は楽しい。

4月24日 週の日記

4月24日(月)

弟と、黒磯で仕事しようかと車を走らせる。平日午前のSHOZO cafeは空いていて、ほぼ貸し切りだった。

SHOZOのスコーンはなんでこんなに美味しいんだろうって頬張ってから、黙々と作業。ずっとモニョモニョしていた仕事を集中して片付けることができた。いい気分でレモンケーキとシュガーパイ、いつものココアクッキーを、東京の友達たち(と自分への)お土産に買う。

最近、クッキーが好きで、隙あらばクッキー缶について検索しては胸をときめかせている。まわりに有識者が多くてありがたい。いまはKANEL BREADのサブレ缶が気になっている。

 

4月25日(火)

祖母が塗り絵をしたり新聞を読んだりする横で、オンライン会議×3。

 

4月26日(水)

祖母がうたた寝をしたり洗濯を畳んだりする横で、オンライン会議×2。

夜は、注文していたお取り寄せグルメの有名どころ「そのまんま肉バーグ」でハンバーグパーティー。お肉屋さんがプライドをかけて作った逸品というのも納得、お肉の迫力が凄まじく、みんな大満足していた。

「この笑顔のためなら、私はいくらでも働くんだ!」と、心から思う。

 

4月27日(木)

早朝の新幹線で東京に戻る。展示会のあと緊急の打ち合わせが夜まで続いてヘトヘト。

 

4月28日(金)

デザインをお手伝いをしたOOH(交通広告)が掲出されているので、デザイナーさんと同僚と行脚。久しぶりの池袋駅で迷いに迷ってしまい、3人で汗だく。私史上最大サイズの印刷物で、それはもう感動した。警備員さんまでいて。もちろん打ち上げの乾杯は、涙と汗と…なんだかいろんなものが浄化される美味しさでした。

GWが始まるのに、ほとんど予定がなくて自由な気分。

4月の週末(4)

4月22日(土)

田植えの準備で田んぼに水が張られている。車に乗っていると、水上にいるみたいで気持ちがいい。山の新芽は太陽を浴びてキラキラだ。一番好きな季節かもしれない。

でも幼少期は、この時期がとにかく怖かった。毎年決まって、恐ろしい夢を見たのだ。それは菜の花が咲き、モンシロチョウが飛ぶのどかな田園で、知らないおじさんにさらわれる夢。ピンクと緑と黄色の淡く朗らかなシチュエーションで、突然誰かに連れて行かれるコントラストったら、恐怖でしかない。だから春が怖くて、暖かくなってきたら「今年こそはあのおじさんに打ち勝つ…!」と、毎晩意を決して眠りについていた。そのループは小学校高学年くらいまで続き、パタリとなくなった。

だからというわけではないけど、高校時代、この時期によくジョイ・ディヴィジョンを聴いた気がする。音楽雑誌で「美と残忍性の組み合わせ」と紹介されていて、なんとなく夢とリンクしたんだと思う。

前職の先輩にこの話をしたら、「わかる〜!私も田植え中に脚をヒルに吸われたとき、頭の中でジョイ・ディヴィジョンがかかってたもん!」と言われてギョッとした。

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4月23日(日)

母の本番で、朝から忙しい。ふだんピアノ講師や合唱の指導をしている母の本職は歌だ。いまも「二期会」という声楽家団体に所属し、師匠のところにレッスンに通っている。

コロナ中、家族に感染リスクがあってはいけないので母はずっと活動を諦め、それはそれは辛そうだった。「もう世間から忘れられちゃったよ」とか「私の視界は真っ黒」とか言って、痛々しかった。

それが、三年ぶりのステージ!400人キャパの会場は満席で、何人か泣いているお客さんもいた。私も祖母も弟も、いい時間だったねって言い合って帰った。

私は母を尊敬する。

4月17日 週の日記

4月17日(月)

昨日就寝前に、Netflixの『初恋』を最後まで観た。淡い恋の夢を期待して眠りについたのに、恋は恋でも「俺のこと好きなら腕に名前彫れ」「好きだって気持ちを根性焼きで見せろ」と、情緒不安定なバンドマンに迫られるおぞましい展開。

起きたらまだ喉が痛い。明日撮影なのでこれ以上悪化させるわけにはいかず、30分にいちどうがい。

母が「うがいをするときに歌を歌うと、喉の隅々まで殺菌できる」と言っていたのを思い出し、海援隊の『贈る言葉』と中島みゆきの『ファイト!』を歌う。

「ゴゴゴーゴゴバー(おくるーことばー)」

むせてパーカーにイソジンがついた。

※歌いながらうがい、効果が証明されていた!

 

4月18日(火)

朝から撮影。久しぶりのメンバーが集合して、楽しい時間でした。執筆を頑張らねば。

気圧の乱高下による偏頭痛、アイスノンをあてると和らぐことに気づいた。

でも手が塞がると何もできないので、アイスノンを5つ詰めたベレー帽をかぶって仕事。夫に「漫画家先生」と呼ばれる1日だった。

 

4月19日(水)

おばあさんに道案内したら「親切ね」と言われた。「優しさ」と「親切」の違いってなんだろう。

今日も漫画家ルックで働いた。頭が割れそうだったけど、バナナをバターでトロトロに焼いて、チーズトーストに乗せた昼食が美味しくて気が紛れた。

 

4月20日(木)

天気が良くて気持ちいい。もう夏の空気!

夜、友達と新宿で中華を食べた。トイレは2F。だだっ広い真っ暗なフロアには誰もいないのに、たしかに人の気配がした。気配は、「気(け)が這(は)う」という言葉が語源だった気がする。ここで何人もが、湯気を楽しみながら中華を食べたのだろう。人が食べる、生きる力を感じた。

 

4月21日(金)

8時半の予約で病院。終わったのが10時半だったけど、待ち時間に動画2本作れてよかった。カフェで仕事して、船橋屋のあんみつをお土産に買い、新幹線に飛び乗る。車中で原稿。

実は私、蕎麦と同じくらいあんみつも大好きで、一時期狂ったようにあんみつを食べていた。なかでも船橋屋は全てが黄金比でお気に入りだったのに、去年代表が不祥事を起こしたのだ。

新社長は40歳の女性に。若くして江戸時代から続く老舗を背負って立つ姿凛々しく、さらにこの方の船橋屋愛に感銘を受け(就活の時、全国の船橋屋を回って独自で調査レポートを作ったそう)、応援する企業のひとつになった。

船橋屋は、この時期、亀戸天神で藤まつりをやっていて、お店の藤棚もきれいに咲く。

 

 

4月の週末(3)

4月15日(土)

Coachellaが始まった!

転換中に録画が流れた、DOMi & JD BECKというデュオがよかった。広いステージの真ん中で、キュートなキーボ・ドミと、美男子のドラム・JD BECKがキュッと向かい合って演奏する。超絶技巧の音を浴びるのが気持ちいい。5月に来日するらしいです。

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Gorillazを観ながら大掃除。むかしひとりでFUJIに行ったとき、大雨で帰れなくなって友達の部屋に泊めてもらった。そのひとがGorillaz好きだったのを思い出して連絡した。

FKJは言わずもがな格好いい。総じてセットが豪華でたまげる。Coachella、どれもワンマンみたい。

 

夜、ラブリーのんぴーとごはん。うつらうつらのあとに、bar bossa。嬉しくびっくりするニュースがあって、何回も乾杯した。

 

4月16日(日)

体調を崩して、あいちゃんとサンドイッチを食べる予定を延期にしてもらった。

病院で抗原検査をして(陰性)、1日パジャマで過ごす。遅ればせながらの『初恋』と、天童で開催されている『人間将棋』、昨日に続きCoachellaを行ったり来たり。朝のHiatus Kaiyoteが最高だった。

キウイ、りんご、くったくたに煮たうどんと梅干しを食べた。頼む、明日は治っていますように。